2006年3月。
中国茶荘田丸オープンを前に、中国に仕入れと勉強の旅をしてきました。
観光旅行では味わえない、Deepな中国。

上海の市場を訪れ茶器を仕入れたり、宜興で紫砂の急須を勉強したり、杭州で茶畑を訪れたりと内容盛りだくさん、移動距離もさすが広大な中国、半端ない!

宜興の急須工房では、北京オリンピックの来賓へのお土産にする急須のデザインコンテストで選ばれた、次期国宝級の紫砂作家さんと何十万の急須でお茶を飲みました(笑)。
高級な急須を幾つも並べて気軽に飲んでいる様は、大切にする=使って良い風合いにするということなんだと実感。
宜興では紫砂の急須を幾つも購入しました。店内でみなさんにお使い頂いている急須もそのうちの一つです。

そして今回の旅のメイン、茶畑訪問。
杭州の龍井の山はまさに新茶の収穫時期。
1日でもずれると、状態の良いお茶は手に入りません。

龍井の山は、深い霧がかかり水墨画のような幻想的な雰囲気。
どんどん山を登り、辺を見渡すとどこの斜面にも綺麗に整列した茶畑がありました。

今回お茶を購入させてもらった農家の方の収穫を見学すると、手早いながらもなんとも緻密な作業。
黄緑が鮮やかな新芽の部分だけを上手に摘み取るんです。

丁寧に一つ一つ摘み取る作業をしばし見学し、摘み終わって帰ってきたおばさんの腰に下げた小さな籠の中をみると、あんなに長い時間懸命に摘んでいたのに、茶葉は少しだけ。

そして、すぐ焙煎作業へ。
ざっと乾燥させ、少量ずつ焙煎機で丁寧に煎っていきます。
優しく撫で、パラパラと散らすように時間をかけて焙煎している作業をみていたら、なんと手間と時間のかかる作業でしょう!
香ばしい緑茶の香りに包まれて数時間。
出来たお茶は、とても貴重な龍井の新茶。
新茶収穫の初日に合わせて山に入ったので、世界で一番早く最高級の獅峰龍井に出会ったというわけです。

おばさんは、このお茶をその場でコップに入れてお湯を注いで飲ませてくれました。
なんとも香ばしい!ナッツのような香ばしさと、爽やかで甘みのある優しい味。
収穫から焙煎まで見させてもらい、美味しさも感動もひとしおです。

このレベルの獅峰龍井はなかなか日本には入ってこないとのこと。
確かに、他の農家の茶葉と見比べても、茶葉の傷や大きさが違う。
他の農家のお茶も、大変素晴らしいレベルのお茶ですが、それの上を行く茶葉と出会えたことは幸運中の幸運です。

高級と言われるお茶には様々な所以があるのでしょうが、今回収穫を一通り見て、立地、気候、管理、技術様々な要素が絡み合う中で、本当に素晴らしいレベルのお茶は、少量しか採れない。
さらに、とても手間のかかる職人技だということを再認識しました。

五感で感じた美味しさの秘密。
みなさんもぜひ、飲んでみて下さい。